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南オセチア

グルジアの南オセチア自治州の分離をめぐるロシアの軍事介入で、12日、ロシアは作戦終了を宣言した。
これは同日モスクワ入りしたEU議長国フランスのサルコジ大統領が、メドベージェフ露大統領に申し入れた停戦調停を受けての形となった。

EUサイドから見れば、EU共通外交の成果と言えるし、EU議長国であるフランスの外交力とも言えるだろう。ただし、ことはそんなに単純ではなく、今後の展開も不安定要素が盛りだくさんだ。

グルジア、それにアゼルバイジャン、アルメニアは、カスピ海と黒海に挟まれた回廊のような場所にあり、いずれも小国だが伝統的な南下政策を重視するロシアにとっては戦略的要衝である。CIS(独立国家共同体)のメンバーであるこれらの国々がロシアから離れ、先々NATO加盟や、EUの影響下に入ることへの懸念も強い。

しかもグルジアにはカスピ海から欧州につながる石油パイプラインが通っており、グルジアへの間接的支配力を高めて欧州に対するエネルギー外交の影響力を高めたいロシアにとって、親欧州のサアカシビリ大統領への嫌悪感も今回の軍事行動の背景にはあったと思われる。

また、メドベージェフ大統領としては、プーチンの後継として、自らが外交・安全保障上の強いリーダーシップを発揮するという姿勢を内外に示し、以後の外交交渉を優位に進めたいとの意図もあろう。

EUとしては、グルジアが石油問題での要衝であるということ、また2004年以降進められている「欧州近隣諸国政策」の対象国にもなっており(これはアゼルバイジャン、アルメニアも同じ)、この地域の安全保障上の重要性を強く認識している。

またすぐ南には核開発問題で手を焼いているイランがあり、グルジアの混乱がこれらEUの東側の外縁での不安定化拡大につながるのは避けたいところだ。

米ブッシュ政権がレームダックの段階にあり、グローバルな安全保障上の文字通り仲介人となりうる存在として、今まさにEUがその役割を果たしている。不必要に戦火を広げたくないロシアとしても、欧州に貸しを作りつつ、程よいタイミングでのサルコジ訪露での停戦合意ができたというところだろう。

コソヴォ独立にも反対を貫くロシアだが、西バルカンのコソヴォは地理的に欧州内であり、ロシアも固執はせずに時間が解決するかも知れないが、グルジアは微妙だ。
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テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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神戸在住の国際関係研究者。
赤ワインとチェコビールと蕎麦と栗を愛す。
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